帰路の途中で湯島聖堂を発見
品川での仕事の締めくくりで金曜の夜遅くまで仕事があったので、金曜の夜は品川に泊まって、土曜日に東京観光してから帰ることにした。
ここはやはり御朱印巡りをしようと思い立ち、半日で巡れる寺社仏閣を調べたところうってつけのサイトを見つけた。
このサイトに従って有名神社を巡ってみようということで、浅草寺、浅草神社、神田神社を参拝し、ガイドによると次は「湯島天満宮」なのだが、既に15時を回っており疲れていたので、ここで切り上げて大阪に帰ることにした。
ところが御茶ノ水駅までの道の途中で、広大な敷地にお寺のような建物が見えた。
折角なのでなんだろうと寄ってみると、それはお寺ではなく「湯島聖堂」だった。
湯島聖堂は“5代将軍徳川綱吉によって建てられた本来は孔子廟”だそうで、その後東京大学の源流の1つとなる「昌平坂学問所」が開設され、明治に入ってからは「文部省」が置かれたり、国立博物館の元となる日本初の博物館が置かれたり、日本初の図書館となる「書籍館」が置かれたりと、“近代教育発祥の地”だったようだ。
宥座の器
大成殿の中に入ってみると、中には孔子像の他、儒教に関わる人々の像や画、道具などが展示されていた。
中でも特に興味深かったのは「宥座之器(ゆうざのき)」。
これは“水が入っていない空の時は傾き、水を適度に入れるとまっすぐに立ち、水が満ちるとひっくり返り全てこぼれる”器で、これを見て孔子が「中庸」を説いたのだそうだ。
受付の人に試してみて良いか確認した後、空で傾いている宥座之器に水を入れてみる。
半分くらい入れると確かに器は真っ直ぐになった。
更に水を入れるとまた段々傾いてきて、満杯近くなるとくるっと逆さになって水を全て零し、また元の空の状態に戻った。
壺を吊るす絶妙な位置がこの事象をもたらしているのだと思うが、とても興味深い。
何事も過不足無くバランスの取れた状態を目指したいものだと思った。
儒教については全く不勉強なのだが、この機会に「四書五経」の入門書を読んでみようか。
儒教は日本文化や日本人の精神性に影響を与えて来たそうだが、何か新たな気付きがあるかもしれない。
結局、半日で回る予定だった「東京六社巡り」は、2社(浅草神社、神田神社)を回っただけで終わってしまったが、とても充実した一日を過ごすことが出来た。
次回東京に立ち寄った際には残りの4社にも参拝したい。