オオサカご利益めぐり 第一弾は住吉大社
建国記念日の昼下がり。
ここ最近、育児疲れからか妻のご機嫌がすこぶる悪いので、息抜きをしてもらおうと娘と外出することにした。
行き先はもちろん寺社仏閣。
年末に駅の構内で「オオサカご利益めぐり」のポスターを見かけたのだが、大阪に10年以上住んでいるのにどの神社にもお参りしたことが無かったので、まずはこれらの神社を巡りたいと考えていた。
そこで今回は住吉大社にお参りすることにした。
住吉大社といえば全国に2000以上ある住吉神社の総本宮だが、博多、下関の住吉神社と合わせて「三大住吉」と呼ばれるらしい。いずれも一宮なので、是非参拝してみたい。
また、住吉の起源ということになるとその他に壱岐市の住吉神社、神戸市の本住吉神社が起源であるという説もあるようだ。
そんなことを調べながら、住吉大社へ向かう。
地下鉄谷町線 天王寺駅で阪堺線に乗り換える。
阪堺線を使うのは初めてで、路面電車ということすら知らなかった。
娘は路面電車に乗るのは初めてで、「道路の上を電車が走ってる!」と終始はしゃいだ様子だった。
まずは本宮に参拝
住吉大社に着くと、その灯籠の多さに驚く。600以上もあるらしい。
「灯籠巡り」という楽しみ方もあるようで、新しいものから古いものまで表情も様々だ。
反橋の急な角度に驚きながらなんとか渡って手水舎で手と口を清める。
鳥居をくぐると、4つの本宮が姿を現す。
この鳥居、後で調べると角鳥居といって珍しい四角柱の鳥居らしい。 全然気が付かなかった!
4つの本宮にはそれぞれ底筒男命、中筒男命、表筒男命、神功皇后が祀られているとのこと。
特に住吉三神は伊邪那岐尊が黄泉国から帰ってきてその穢れを祓い清める際に生まれた、神道の根幹である「祓い」の神であるので、自分の積もり積もった罪やら穢れやらを水に流してもらうべく全ての本宮を念入りに参拝した。
後でよくよく調べてみると、天津祝詞や祓詞で「祓いたまへ清めたまへ」と祈る祓戸大神には住吉三神は含まれないらしい。
祓戸大神を祀る神社にもまたいずれ参拝してみたい。
参拝の人の列を見ると第四、第三本宮にはほとんど人は並んでおらず、第二本宮には若干、第一本宮に長蛇の列 という様子だった。
各本宮にはそれぞれの神が祀られていて、第一本宮が一番ご利益があるというわけでもないのに、時間がない人がとりあえず第一本宮だけ参拝しているのかな と邪推してみた。
ちなみにこれも後から調べてみると、第一本宮から順に参拝するのが正式な参拝順序らしい。
入り口に一番近い第三本宮から参拝しちゃったよ!! 下調べしてから行くべきだった!
また今度、正式な順序でお参りしたい。
「楠珺社」招き猫に願掛けを
本宮参拝後、周囲を散策してみる。
「初辰まいり」と書かれた旗がたくさん立っていたので、なんだろうと思って近づいてみると大きな夫婦楠の下に楠珺社があった。
ご祭神は「宇迦魂命」なので、いわゆるお稲荷さんだ。
娘が納められていた招き猫を見つけて「これ欲しい!」とのたまう。
左手を上げている猫が家内安全、右手を上げている猫が商売発達を願うものらしい。
妻のイライラが鎮まるのを娘と祈念して、家内安全の猫を頂いた。
これも後で知ったのだが、たくさん立てられていた旗は、毎月最初の辰の日にお参りする「初辰参り」のものであると知った。
4年間毎月お参りすることで満願成就となるそうだ。
前述の招き猫も、毎月頂いて、48体集まったらより大きな猫と交換してもらえるのだそうだ。
近くに住んでいる人でないとなかなか厳しそうだが、実に興味深い。
「五所御前」五大力の玉砂利を探せ
次に訪れたのは第一本宮の右奥にある「五所御前」。
住吉大神を最初にお祀りした聖地とのことだが、ここで「五」「大」「力」と書かれた玉砂利を探し出すと、寿(命)力・福力・体力・智力・財力の5つの運力がもたらされるらしい。
神仏習合で住吉神宮寺の五大力尊信仰と結びついたとのこと。
大勢の人が玉砂利を探していて、通常であれば「面倒そうだし時間もかかりそうし汚れそうだからパス」となるところなのだが、「これはブログの良いネタになるぞ」とやる気に火がついてしまった。
こういうイベントに積極的になったのは、ブログを始めた副次効果なのかもしれない。
娘と一緒に玉砂利を探すこと10分。
隣にいたいかにも大阪のおばちゃんといった感じのご婦人が、持っていた杖を巧みに操って手の届かないところにあった石を次々と引き寄せ、一緒にいた何人かの分をあっという間に集めて去っていったのを横目に、ようやく「五」「大」「力」の玉砂利を集めることに成功した。
一旦始めると結構集中してしまうもので、気付けば手や服が汚れにまみれていたのだが、なんだろう、この達成感。
娘が前述の招き猫とこの石をとても大事そうに握りしめているのを見て、こういう純粋な気持ちを忘れてはいけないんだろうなと思う。
帰ったら「こんな石なんか拾ってきてどうするの?」と妻に怒られそうだが、純粋な気持ちでお許しを請う覚悟を決めた。
「種貸社」一寸法師発祥の地
帰りがけに「種貸社」に立ち寄る。
最近新しく整備されたようで、とても綺麗な境内。
資金調達と子宝の神様とのことで、裏手には母子像と子宝を願う絵馬の数々。
その隣に一寸法師のお椀と顔出しパネルが。 なんと一寸法師の発祥の地らしい。
娘に「一寸法師のお話の場所なんだってー」と話しかけると「一寸法師って何?」とのお返事。
もっと昔話を読み聞かせしてあげようと心に決めた瞬間だった。
御朱印
最後に御朱印を頂く。
その時は特に何も言われず気づかなかったのだが、実は住吉大社の御朱印は末社摂社のもの含めて10種類もあるらしい。
伊勢神宮と同様に、お参りした都度1種類ずつ頂いて、長い人生の中で全て揃えてみたい。