実家のお祭り2016

地元の屋台(昼)
地元の屋台(昼)

実家のある静岡県磐田市(旧福田町)で例年10月第2土日に行われる祭典に参加してきた。

地元では「屋台(やたい)」と呼ばれる4輪の豪華絢爛な山車に神様が宿られ、笛や太鼓でお囃子を奏でながら地域内を巡行するのだが、幼い頃からこのお祭りが大好きだった。

子どもたちは7月くらいから公民館に集まって太鼓の練習を始め、本番では揃いの法被を着て、屋台に乗って太鼓を叩いたり、「そらやれ」の掛け声と共に屋台を引っ張ったり、休憩時間に振る舞われるご馳走を食べたりと、非日常の2日間が1年で一番の楽しみだったと言って過言ではない。

 

小太鼓と特一本調子の横笛
小太鼓と特一本調子の横笛

お祭りで演奏されるお囃子は、静岡県無形文化財第一号に指定されている「三社祭礼囃子」で、小太鼓2、大太鼓1、摺金1、笛2で奏でる。

小太鼓は小学校低学年、大太鼓・摺金は小学校高学年でも演奏出来るのだが、笛は「特一本調子」と呼ばれる全国でも珍しい大きな横笛なので子どもではなかなか指が穴を押さえ切れず、息も続かず、大人でも吹き手が少ないのが現状だ。

大学入学で地元を離れてからはお祭りとは疎遠になってしまったが、数年前に「笛の吹き手がいないのでやって欲しい」と頼まれてからは、もらった譜面とCDを頼りにほぼ独学で笛を練習し、毎年帰省して笛を吹いている。

 

お祭りの幟旗
お祭りの幟旗

今年もちょうど東京出張のタイミングが合ったので、出張からの帰りに静岡に寄って、前夜祭から参加出来た。

昨年から娘の幼稚園の運動会が10月第2日曜に予定されてしまい、昨年は土曜日だけ参加してとんぼ返りしたのだが、今年は運良く運動会が雨天の予報で延期になり、2日間フルで参加出来た。

妻子も一緒に参加出来たら良かったのだが、そこは仕方が無い。

 

祭典本部のある公民館に向かうと、1年に1度、このお祭りでしか会わない見知った顔と挨拶を交わす。

それにしても昔に比べてやはり子どもが減り、老人が増えたなぁと感じる。

自分の地元でも過疎化が進んでいることに寂しさを覚えつつ、自分も地元から出ている身であることに若干の罪悪感を感じた。

地元の屋台(夜)
地元の屋台(夜)

今年はあまり練習の時間が取れなかったので音が安定するまでに結構大変だったが、なんとか2日間吹き通すことが出来た。

笛を吹く2人が切れ目なく交代で吹き続けるのはなかなかしんどいが、屋台の上で祭りの花であるお囃子の主旋律を奏でる気持ちよさはなんとも言えない。

ときには太鼓も力いっぱい叩き、日頃の鬱憤を存分に晴らすことができた。

休憩時間にはベテランの笛吹の方に手ほどきをしてもらったり、同級生と旧交を温めたりして有意義な時間を過ごした。

 

提灯
提灯

夜になると提灯に火が灯り、祭りの様相もガラリと変わってくる。

暗闇に浮かぶ提灯に彩られた屋台はとても幻想的。

祭りのクライマックスはそんな屋台が近隣から集まって、行列を成しての巡行だ。

豪華絢爛な屋台がそれぞれお囃子を奏で、行列を成すところは壮観なのだが、常に笛を吹かなければならず、それをビデオや写真に撮れないのが残念。

 

実家のある地域は町の端にあるのでここまで賑やかでは無いのだが、参考までに今年の町で一番賑やかな所の動画が上がっていたので、雰囲気だけでも共有したい。(11:00あたりから出てくる般若の舞は必見!)

また、お祭りの解説サイトも見つけたので、興味を持たれた方は是非。

来年のお祭りにはもっと上手に笛を吹けるように、練習を頑張りたい。

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