バレエの発表会を区切りに
ゴールデンウィークに娘の初めてのバレエの発表会があり、妻、妻の母、妻の妹と観覧してきた。
娘が年少になって間もなく妻のたっての希望があり、家の近くのバレエスタジオに通い始めたのだが、もう1年が経ってしまうのかと時の流れの速さに改めて驚く。
最初の頃は見よう見まねで体を動かすのが楽しかったようなのだが、最近は習いに行っても座って見ているだけで積極的に参加しないようだ。
理由を聞くと「幼稚園で疲れたから」だそうだ。 おっさんか。
妻も参加させようとあれこれ頑張っているようだが、毎回二人が不機嫌で家に帰ってくるのを見かねて、「毎回お金を払って不機嫌になって帰ってくるくらいなら、今度の発表会を区切りに一度辞めたらどうか」と提案し、二人とも承諾して迎えた発表会だった。
1年の集大成を見る楽しみよりも、練習不足で周りの足を引っ張らないかという心配のほうが先に立ってしまう。
パンフレットに参加者の顔写真が並んでるのだが、ほとんどの子がにっこり笑顔かドヤ顔でいる中、泣き顔で写っている娘を見て心配に拍車がかかる。
発表会費用の罠
「発表会に参加させたい」と妻から話を聞いたのは、去年の冬だったか。
費用を聞くと参加費は2万円だけど、普通は10万円以上かかるからリーズナブルなのだと説明があった。
まぁ娘の晴れ舞台の為にそのくらいの出費ならやむなしかと承諾したのだが、発表会が近づくと「衣装代で◯万円かかる」だの「チケット代が10枚セットで◯万円」だの「先生へのお花代」だの、極めつけは「発表会は撮影禁止で、プロが撮影するDVDを◯万円で半強制で買わないといけない。」だのと次々に請求が来て、気が付けば「普通」とそう変わらない費用になっていた。
東京オリンピックの施設建設費が杜撰な見積りにより数倍に膨れ上がっているというニュースを昨今よく耳にするが、まさか家庭でも同じことが起きるとは。
思いの外頑張った娘
思った以上に大きいホールが8~9割埋まり、予想以上に大規模な発表会だった。
出演者が何十人もいるのだから、それぞれが10人連れてくればそれなりの人数になるのも頷ける。
全部で4部(各部1時間弱・合計4時間)に分かれていて、娘はそのうち2つの演目に出演した。
娘は同学年の中でも背が高い方で、大きくなったなぁと思っていたものだったが、大きな舞台でお姉さんに混じって踊っている様子を見ると、まだまだ小さいんだなぁと感じた。
そんな小さい娘が(他の子よりも半テンポ遅れてはいたが)難しい振り付けをよく頑張っていて、ハラハラしながら見ていたが同時に成長も感じることが出来た。
緊張した様子も無く、意外と本番に強い方なのかもしれない。
やはりバレエは高尚なもの
子どもがメインの前半に対して、後半は大人がメイン。
ゲストとしてプロのダンサーを招いていることもあり、大道具やライティングも本格的で、発表会というよりも本格的なバレエそのものだった。
(とはいっても、やはりヨロヨロとバランスを崩したり、転んでしまったりしていて、「あっ、発表会だっけ」と思い出すシーンもあったのだが)
バレエを生で見たことが無かったので、貴重な体験になった。
トゥーシューズによるつま先立ちはほんの僅かな時間だけだろうと想像していたのだが、ずーっとつま先立ちでくるくる回っているのを見て感心した。
トゥーシューズを履いていても痛いものは痛いようで、さらにバランスを取って踊るなんて凄い努力だと思う。
ただ、4時間もバレエを見続けていると次第にどの曲もどのダンスも同じに見えてきて、眠気が襲ってきた。
まだ自分にとってはバレエは高尚過ぎる代物だと悟った。
これからの娘の頑張りに期待
発表会が終わって、メイクを落とす前に家族で写真撮影をする時間が設けられた。
ドーランで舞台用の化粧を施した娘は、先ほどの演技と相まって普段とは別人に見えた。(別人なんで、写真は加工しなくても大丈夫かな。)
パシャパシャと撮りまくっていると、娘が「やっぱりバレエやめない」とのたまう。
どうやらお化粧してみんなで踊る発表会が楽しかったのと、お姉さん達が綺麗に踊るのを見て憧れを新たにしたようだ。
その覚悟がどの程度続くものか見定めようと思いつつ、もし頑張るようなら来年の発表会の費用をどう捻出しようか頭を捻りながら帰途についた。
1日中、子どもたちの化粧をしたり面倒を見ていた妻やお母さん方、本当にお疲れ様でした。