渡航準備 リロケーション編

自宅をどうするか

我が家からの夜景ともしばらくお別れ

シンガポール赴任準備のお話。

前回記事にした就労ビザの準備と並行して、持ち家である自宅をどうするかを考えなければならない。

選択肢としては「空き家にする」「売る」「人に貸す」の3パターンになるが、それぞれ検討してみた。

 
  • 空き家にする

空き家にすれば、シンガポールに持って行かない荷物や家財をそのままにしておけるし余計な手続きは必要無いし、人に貸して汚される心配もない。

ただし長期間空き家にすると家が傷むというし、定期的に様子を見てくれるように頼めるような親類が近くにいないという問題がある。

空き家管理サービスもあるが結構高いし、何よりローンの支払いがあるのに家を遊ばせておく余裕は正直に言って無い。

 

  • 売る

業者に相談したところ相場としては購入時よりも高く売れるようだ。

また2年後に日本に帰ってきた時に大阪に戻ってくるとは限らないし、その頃に相場がどのようになっているのかが分からないので、購入時より高く売れるのなら今売ってしまうのもあり。

ただし渡航までの2ヶ月弱で買い手を見つけて売買契約を完了させる必要がある(非居住者になると手続きが非常に煩雑になる)が、その為にはそれなりに安くしなければならない。

それにそれなりに気に入っている家なので2年後に大阪に戻って来る場合を考えると手放す事に抵抗がある。

 

  • 人に貸す

人に貸す場合、2年間限定の賃貸になる分相場より家賃を安く設定する必要があるが、住宅ローンを補って余る定期収入が得られる。

2年後に家から出て行ってくれないリスクもあるというが、調べてみると期間限定の留守宅賃貸サービス「リロケーション」や定期借家契約によりそのようなリスクにも対応できるようだ。

 

いろいろと検討した結果リロケーションサービスを活用して賃貸に出すことにした。

 

リロケーション業者の選定

リロケーションの仕組み(引用:HOME4U
  • いろいろと調べて評判の良さそうなリロケーション業者2社に見積もりを依頼した。

2社のサービスについては、賃貸中に入居者が亡くなるなどして事故物件になってしまった時の買取保証の有無などの細かい違いはあったが、基本となる内容はほとんど一緒。

入居者を探して業者と入居者間で賃貸契約を結び、家賃を徴収して管理費を除いた金額を毎月振り込んでくれるという。

賃貸中のトラブル対応を含めた管理全般をやってくれるので、簡単に帰国出来ない海外在住者にとっては全てお任せできるのが素晴らしい。

ただし管理費が片や家賃の11%、もう一方は6%で大きく違った。

前者は成約時報酬も後者の2倍で、計算すると2年トータルで24万円も費用に違いが出た点が大きく、後者にお願いする事にした。

 

また後者の営業担当の方が見積もり直後からマメに連絡をくれて、質問にも真摯に答えてくれた事も大きい。

前者の方は見積もり後に連絡は無く、1ヶ月後にようやく連絡があったくらいで、やる気が感じられなかった。

営業の姿勢が意思決定にかなり影響することを、身をもって体験した。

 

契約形態には一社のみに募集を依頼する「専任媒介契約」と複数社に並行して募集を依頼する「一般媒介契約」があるようだ。

貸主側からすると、一般媒介契約の方が販売チャネルが増えるので、借り手が着きやすいように思われるが、業者側からすれば他社が成約して努力やコストが無駄になるリスクがあることから、注力しづらいらしい。

そのため、専任媒介の場合は広告費を上乗せするなどの追加サービスを付けてくれる事が多いようだ。

今回は前述の費用の差が大きかったこともあり、追加サービスも受けられる専任でお願いした。

家賃は2社とも同様の相場を教えてくれてその値段で設定した。

サービス、管理費、家賃等の妥当性を見るためにも、複数社に見積もりを依頼することは重要だと感じた。

 

住宅関係の手続き

さて、家を貸すにあたって他にも手続きがある。

  • 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」の提出

我が家は住宅ローン減税を受けているのだが、居住が前提なので賃貸に出すことにより住宅ローン減税は受けられなくなる。

海外赴任中はそもそも税金を払わないので問題ないのだが、帰国後に住宅ローン減税を再適用するために、「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を税務署に届け出る必要がある。

 

  • 銀行への相談

銀行から借りている住宅ローンについても居住が前提になるので、事前に銀行に相談しておくことが重要。

調べると内緒で賃貸に出している人がいるようだが、契約違反になって一括返済を求められるケースもあるようなので要注意。

でも窓口で言われたのは「皆さん内緒でされていますよ。 正式な手続きは無いので、一応書類の備考に渡航期間を書いておきます」とのこと。

そんな対応で良いのかと思いつつ、厳密には契約違反の黙認というグレーゾーンであり、対応のしようがないというのが正直なところなのだろう。

住宅ローンの契約条項に、一時的な海外赴任に関する条項でも追加してもらえればよいのだが・・・。

 

  • マンション管理組合への届け出

賃貸に出すことについてマンション管理組合へ届け出が必要だが、これはリロケーション業者が全て対応してくれた。

 

借り手が付いた

広告を出したと連絡があってから数日後、部屋の内覧をしたいと連絡があった。

犬も飼いたいとのことで、内覧の時に詳しく聞く事にした。

 

内覧当日はご夫婦でいらっしゃって、部屋や共有施設を一通り見てもらった。

小さなお子さんもいるので犬はケージに入れて飼うとのことと、退去時のクリーニング代を上乗せするとの事でペットOKとした

ペットの匂いがどの程度付くかが気になるが、匂いは壁紙に付くようなので壁紙を貼り替えれば良いだろうと判断した。

 

後日、その方に入居が決まったと連絡があった。

2年の期限付きでこんなに早く決まるのは異例とのことで、どうやら運が良かったようだ。

問題は入居予定日。

まだ渡航手続きが進んでおらず渡航日が決まらないのでギリギリまで待ってもらう事にしたのだが、VISA編で記した通りギリギリになっても渡航日が確定しない。

渡航日がずれても1週間くらいだろうと判断して、予定日の1週間後を引き渡し日とした。

 

引き渡し

VISA手配や引っ越し手配でドタバタしたが、家の引き渡しはなんとか予定通りに行うことが出来た。

といっても、引き渡し日に業者の担当者に鍵を渡して、いくつか署名するだけ。

後は、リロケーション業者の方で管理をしてくれるのでとても助かる。

愛着のある自宅なので、大切に使ってもらえたらと思う。

 

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