The busに乗ってパールハーバーへ
1日目はショッピングデーだったが、2日目はレクリエーションデー。
事前に行きたいところを募ったのだがあまり希望が出ず、自分も行きたいところは新婚旅行で一通り回っていたのでどこに行こうか悩んだ。
ハワイ島のキラウエア火山と満天の星空にはすごく興味があったのだが、小さな子どもを連れて早朝から深夜までのアクティビティとなるとつらいし、ウミガメを見るのも運に左右されて見られない時もあるらしいので二の足を踏む。
そんな中、「オバマ大統領が広島を訪れて祈ってくれたのだから、真珠湾に行ってお祈りしたい」という義母の素晴らしい希望を承り、パールハーバーを訪れることにした。
パールハーバーはワイキキから車で1時間以上離れており、移動手段としてはツアーに申し込むか、レンタカーやタクシーを使うか、路線バスを使うかということになる。
パールハーバーのアリゾナ記念館は先着順のチケット制になっており、早朝に行かないとチケットが取れないとのことでツアーは軒並み早朝から半日〜1日コース。
タクシーやレンタカーもなかなかにお値段が張る。
義母は「真珠湾の畔でお祈り出来れば、記念館は行かなくて良い。」とのことなので、路線バスで行って1〜2時間ほど滞在することにした。
ハワイは電車が無い分「The bus」と呼ばれる路線バスが張り巡らされており、” 107路線、約4200のバス停”もあるそうだ。
こちらのサイトを参考に、ワイキキから20番バス乗ってパールハーバーへ行く計画を立てた。
バスの乗り方(前から乗って、2.5ドルを機械に入れる)や降り方(バスの窓際にある紐を引く)、乗るバス停と降りるバス停、時刻表を調べたのだが、”車内アナウンスはないので降りるタイミングは自分で判断しなければなりません。(2015/10/13)”という情報もあり、Google mapで停留所付近の風景も頭に叩き込んでおいた。
このように万全の準備をしていたのにもかかわらず!
前日の疲れからか爆睡してしまい、見事に寝坊してしまった。
本当にツアーにしなくて良かった。
近所のABCストアで買ってきてくれていた朝食を食べながら時刻表とにらめっこして計画を修正したところ、当初の予定より1時間後のバスに無事乗ることが出来た。
車内アナウンスが無いというのは古い情報だったようで、車内に電光掲示板もアナウンスもしっかりあって一安心。
流れる車窓を眺めたり、現地の若い女性に絡まれたりしながら1時間過ごすと、パールハーバーに到着。
ドキドキしながら窓際の紐を引っ張ると、停車のアナウンスが流れて止まってくれた。
太平洋戦争発端の地 “Pearl Harbor Historic Sites”
パールハーバーは無料で入れる「ビジターセンター」、無料だけど先着順チケット制の「アリゾナ記念館」の他に、有料施設として終戦の調印が行われた「戦艦ミズーリ」や「太平洋航空博物館」、「潜水艦ボーフィン」があり、全て回ろうとすると丸1日はかかってしまう。
みんなは「軍艦や戦闘機には興味ない」と仰るので、今回はビジターセンターのみを1~2時間で回ることにした。
パールハーバーは軍用地なのでカバンの持ち込みは禁止されており、入り口右脇の荷物預け所で荷物を預けてゲートをくぐる。
正面に見えるパールハーバーの畔まで歩みを進めると、真珠湾攻撃で1177名と共に沈没した戦艦アリゾナの錨があった。
戦艦アリゾナの犠牲者は引き上げられておらず、今もアリゾナ記念館の下の海に沈むアリゾナと共に海の底で眠っているのだそうだ。
パールハーバーを一望出来る畔には日本軍による真珠湾攻撃の解説プレートが並んでおり、70年前のこの場所での惨劇に想いを馳せ、義母と共に真珠湾に祈りを捧げた。
犠牲者の名前を刻んだモニュメントで、2歳の犠牲者もいたことを知った。
娘よりも小さな子どもが戦火に散ったことを思うと、心が傷んだ。
売店でサンドイッチを買って、アリゾナの鐘を眺めつつベンチで腹ごしらえをした後、展示館「ROAD TO WAR」と「ATTACK」を回る。
戦争直前のアジアでの日米の権益の衝突など背景の説明から始まり、真珠湾奇襲作戦の内容や、暗号の解読、攻撃を受けた後の現地の日系人の扱いなどが当時の遺物と共に説明されていた。
また、当時の映像を元に編集された映像が流れており、攻撃の苛烈さが良く分かった。
まだ見るべき所はたくさんあったのだがあっという間に予定の2時間が経ってしまい、お土産物ショップを覗く間も無く帰路に着いた。
帰りのバス停はちょっと分かりにくいのだが、来た時に降りたバス停を通り越してハイウェイまで出た所にある。
事前に調べてなければ迷っていたところだった。
帰りも1時間バスに揺られたのだが、行きと違って満員で座る事が出来なかった。
義母と娘は優しい方に席を譲って貰ったのがせめてもの救いだった。
太平洋戦争の引き金となった真珠湾を訪れ、祈りを捧げられたこと、また当時の惨状が遺物から伝わり、二度とこの惨劇を繰り返してはならないと心に刻みつけることが出来たことは非常に有意義だった。
後日、真珠湾攻撃についてWikipediaで調べてみたのだが、あまりの情報量に驚いた。
この機会にハワイの楽しい側面だけでなく、辛い歴史を直視することが出来て良かった。
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