シンガポールの家探し

会社の海外赴任プログラムでは、住まいを見つけるまで最長2週間のホテル滞在費用が支給される。

つまり2週間以内にシンガポールでの住まいを見つけて契約し、ホテルから移らなくてはならない。

この短期間で住まいを探す為にプロパティエージェントを付けてくれるので、エージェントに希望を伝えて物件を見繕ってもらい、1~2日でそれらを見て回って物件を選び、契約する流れとなる。

どの辺りに住むのか、どんな間取りが良いか、家具の有無、家賃などなど分からないことが多すぎて希望を出すだけでも一苦労だ。

シンガポールの住宅事情

HDB (Google Mapより引用)

シンガポール国民の8~9割はHDB (Housing Development Board) というシンガポール国民と永住者を対象とする公共団地に住んでいるそうだ。

国民向けに割安の価格の上に補助も出るそうだが、環境としては日本のよくある団地と大差ないようだ。

特徴的なのは窓から竿を出して洗濯物を干す光景くらいだろうか。

一方で一部の富裕層や外国人は一戸建てかコンドミニアムという高級集合住宅に住んでいる。

コンドミニアムは大体プールやジム、バーベキューピット、テニスコートなんかが付いて豪華な感じ。

コンドミニアムはセキュリティも充実しており、 会社からコンドミニアムに住めるだけの住宅補助が出るので、選択の余地無くコンドミニアムに住むことにした。

コンドミニアムの家賃の相場としては、1ルームで大体月2,000~3,000シンガポール (16~24万円)、3LDKで大体月4,000~6,000シンガポールドル (32~48万円)が大体中央値の印象なので、日本のほぼ倍である。

家賃補助が無ければ外国人にはなかなか厳しい住宅事情であるが、そのような場合はルームシェアや居候で家賃を抑えるのがポピュラーなようだ。

住む場所を考える

どこに住もうかな(Wikipedia から地図を引用し、加工しました。)

さて、どこに住むか。それが問題だ。

シンガポールは南西、北西、中央、北東、南東の5つのエリアに大体分けられるようだが、ざっくり言ってしまうと南西エリアは工業地帯。

北西エリアと北東エリアはほとんどがHDBということで、コンドミニアムが多い中央エリアと南東エリアに絞られる。

シンガポールは東京23区よりも少し大きい程度の都市国家であるため、基本的にどこに住んでも通勤1時間圏内ではあるのだが、選べるのであれば勤務先に近い方が良い。

勤務先も子供の小学校も南東エリアの東端、空港の近く (地図の青丸の辺り) であるので必然的に南東エリアが第一候補になる。

その中でもMRT (地下鉄) が走っているTampines・Bedok地区周辺 (地図の青~紫丸の辺り) かMRTが無くバス通勤になるが海沿いの静かなKatong・East Coast地区周辺 (地図のオレンジ丸の辺り) が候補。

一方で、中央エリアは繁華街でお店も施設も集まっていて生活に便利。

日本人の多くも中央エリアのRiver ValleyやNovena (地図の赤丸の辺り) に集まっており、日本人会もこのエリアにあるため利便性を考えるなら中央エリアも捨てがたい。

マリーナベイサンズやセントーサ島などの観光地 (地図の緑丸の辺り) にも近く遊ぶのにも便利だが、中心地だけあって家賃もそれなりに高いし、噂によれば駐在妻のヒエラルキーが強いのもこのエリアだとか。

結局絞りきれず、各地区1~2つ程度物件を見せてもらって決めることにした。

物件の条件

日本にいるうちに「Property Guru」というシンガポールの住宅情報サイトでいろいろな物件を見たり、シンガポール在住の方のブログなどを見たりして、以下のような条件と優先順位を大まかに決めて、エージェントに事前に伝えた。(上が優先度高)

  • 小学校の通学バスが停まる(通学は基本バスだが、日本人学校はバスが停まるコンドミニアムが決まっている。)
  • スーパーやショッピングセンターに近い
  • 通勤至便(MRT・バスの駅が近く、座れて乗り換え不要だとベスト)
  • 3LDK(日本の家に近い間取りが良い)
  • 上層階(下層階は虫やGが多いらしい)でリビングからの眺望が良い
  • 築3~5年程度(新築だと不具合が多いらしく、一通り修理が済んで小馴れた物件が良いらしい)
  • 家具家電付き (Full Furnished)(シンガポールは家具家電付き物件が多い。 日本で使っていた家具家電はほとんど処分したため、全部付いているとありがたい。)

ちなみに浴槽が付いていない物件が多いようで、浴槽を条件に入れると途端に候補がぐっと減ってしまうようだ。

浴槽付きの物件に住んでいる同僚に話を聞くと、「浴槽があっても暑い気候だからシャワーで済ませてしまうことが多く、結局ほとんど使っていない」という話をきいて、特に拘らないことにした。

物件探し

プロパティエージェントが事前に各地区の希望に近い物件を5件ピックアップして内覧の手配をしてくれたので、1日がかりで見て回る。

担当してくれたエージェントは日本語が堪能で、同僚もお世話になったオススメの方だったので一安心。

エージェントの車に家族で乗り込んで、東から順に中央へ。

プールは綺麗だけど・・・

1件目は青・紫エリアから南国感漂う佇まいのコンドミニアム。

部屋の間取りや眺望は良かったけど、ちょっとくたびれた感じ。

プールも広くて一見綺麗だけど、周りには落ち葉が結構落ちていて手入れが行き届いていない印象。

最寄りのスーパーはローカル感あふれる感じで、妻は「都心じゃなくてもいいけど、もう少し洗練されてるところが良い」とのことで却下。

お向かいから丸見え

2件目も青・紫エリアだが、1件目と打って変わって最寄りに綺麗なショッピングモールがあり、部屋も洗練された感じ。

でもリビングからの眺望がご覧の通りお向かいが丸見え。

流石にカーテンをずっと閉めた生活は勘弁してほしいということで却下。

リビングもベランダも広々で眺望も抜群

3件目はオレンジエリアから、エージェント一押し物件。

エージェントの知人が出している物件のため、交渉して私のために取っておいてくれたとか。(ほんとか?)

綺麗なショッピングモールの直上の物件で、間取りも日当たりも眺望も抜群。

ベランダも広々で開放感が素晴らしい。

なにより雨に濡れること無く、下のショッピングモールで買い物したり食事したり出来るのが素晴らしい。

全ての希望が叶う物件だったので「ここにします」と即決したのだが、他の物件も内覧の約束がしてあるからと引き続き物件巡り再開。

部屋から丸見えの浴室

4件目もオレンジエリアだが、リビングから目の前のショッピングモールの青い壁しか見えず、主寝室から浴室が丸見え。

シートか何かを浴室のガラスに貼れば良いのかもしれないけど、3件目を見た後だと「やっぱり3件目だね」という感じ。

手狭なリビングとビルだらけの眺望

5件目は赤エリアから。

部屋専用のエレベーターだったり、プールや芝生がとても綺麗だったり、日本人が多くて住みやすそうだが、 中央エリアだけあって家賃が予算を若干オーバーする上に2LDKと狭い。

部屋からの眺望はビルだらけで、ちょっと息が詰まる感じ。

ここも「強いて言うならやっぱり3件目だね」という感じ。

住まいが決まった

というわけで、満場一致で3件目の物件に決定。

その場でエージェントに伝えて、契約の手続きを進めてもらう。

いやー、すんなり家が決まってよかった!!!

と思っていたら、まさかあんなトラップが待ち受けていようとは・・・。

長くなってしまったので次回へ続く。

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